ボールパイソンの繁殖にチャレンジしたい!オリジナルのモルフを開発したい!
このような意気込みを持っているあなたに質問です。
あなたは、本当に繁殖させた責任を取れますか?
ボールパイソンの繁殖は、素人でもチャレンジできます。しかし、決しておすすめはしません。
この記事では、「ボールパイソンの繁殖をやめるべき理由」について解説します。
素人がボールパイソンの繁殖をやめるべき理由
飼育者による繁殖は、賛否両論あります。賛成・反対のどちらが正解かは、一概に言えません。
しかし、素人の無計画で、浅はかな繁殖はやめるべきでしょう。その理由は、次のとおりです。
- すべての子を終生飼育できない
- 親個体が死んでしまうかもしれない
すべての子を終生飼育できない
ボールパイソンは、3〜12個(平均6個)の卵を産みます。そして平均寿命は、10〜15年です。
いくら手間がかかりづらいヘビとはいえ、よほどの経済力と時間的余裕がなければ、終生飼育するのは難しいでしょう。
育てられたとしても、親個体と同程度の愛情をすべての子に注げるでしょうか。ケージの広さや給餌の頻度、体調管理に妥協しないのでしょうか。
すべての子を自分で育てる前提で、繁殖させるのはやめましょう。甘く考えていると、手に負えなくなり、きっと後悔します。
少なくとも話を通したショップや知人に引き渡す目処を立ててから、チャレンジしてください。
親個体が死んでしまうかもしれない
あなたが手塩にかけて育てた親個体は、繁殖の過程で体調を壊して死んでしまうかもしれません。
発情をうながすクーリング(意図的に温度を下げる)により、風邪を引くこともあります。
産卵に失敗して卵詰まりになると、卵だけでなく、親個体も命を落とすかもしれません。
もちろん、十分なスキルを持って、適切に対応すれば素人でも繁殖させることはできます。
ここで言いたいのは「ペットを繁殖させることは、リスクをともなう」ということです。
ボールパイソンの繁殖に挑戦したい方は
ここまで読んでなお、繁殖にチャレンジしたいという方は「新しい命を生み出す覚悟」を持ったという前提で話を進めます。
繁殖を成功させるには、覚悟だけでなく次のような知識が必要です。
- 性成熟
- クーリング
- 交尾
- 排卵
- 産卵
- 繁殖期の給餌
- 母体のケア
- ハッチ後のケア
これらの内容を知りたい方は、専門家が監修したこちらの書籍をおすすめします。
ボールパイソンの飼育本は、これまでに何冊も出版されています。その中で、繁殖についてはこちらの本がもっとも詳しく解説していました。
遺伝の解説やモルフカタログも充実しています。これからブリーダーを目指す方は、教科書として手元に置いておくと便利かもしれません。
繁殖以外の飼育の楽しみ方
ボールパイソンは、繁殖させる以外にも飼育の楽しみ方がいくつかあります。
ここでは、その一例をご紹介します。
ビバリウム
ビバリウムレイアウトを作ることで、その動物本来の生き様を自宅で楽しむことができます。
大きく床を這い回ったり、木に巻き付いたり、床材に潜ったりする姿は、狭くて無機質なレイアウトでは決して見られません。
また、作り物ではなく本物の植物を置くことで観葉植物としての趣味を兼ねることに。
「小さな動物園」といわんばかりに、彩り豊かに飾られたケージは、お部屋の主役になります。
「繁殖は厳しいとわかった」「生体数をむやみに増やしたくない」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。
飼育の記録
飼育をするうえで成長記録を付けることも、楽しみ方のひとつです。
体重の変化、体色の変化、行動の変化など、よく観察すると気付いていないだけで彼らは日々変わり続けています。
ノートにまとめるほど、堅苦しいものではなくともSNSやブログで発信するだけで十分です。
あとから家族や友人と記録や写真をシェアしたり、思い出に浸れたりするのは大事に育ててきたからこそできます。
自分なりの楽しみ方を見つけよう
繁殖させることは、きちんと覚悟と責任感を持ってチャレンジすれば、悪いことではありません。
とはいえ、飼育の楽しみ方はそれだけではありません。本記事でご紹介した他の楽しみ方も検討してみてください。
爬虫類好きを語るのに、繁殖経験は必要ありません。好きだからこそ、諦めることは大切です。
いま一度、自分の飼育スタイルについて、考えてみてはいかがでしょうか。