パシフィックツリーボアとは?おすすめのケージなど飼育用品を紹介

パシフィックツリーボアとは

パシフィックツリーボア
分類爬虫綱
有鱗目
ヘビ亜目
ムカシヘビ上科
ボア科
ナンヨウボア亜科
ナンヨウボア属
代表名パシフィックツリーボア
別名ハブモドキボア
カリナータボア
ニューギニアツリーボア
パシフィックキールボア
英名New Guinea Tree Boa
Schneider’s Bevelnosed Boa
Pacific Tree Boa
学名Candoia carinata
全長60cm〜90cm
分布インドネシア、パプアニューギニア
生態半地上・半樹上棲
食性スキンクやヤモリなどのトカゲ類。カエルやげっ歯類の捕食例もあり
繁殖形態胎生(6頭前後)
特定動物該当なし
特定外来生物該当なし
天然記念物該当なし
希少野生動植物種該当なし
パシフィックツリーボアのデータ

パシフィックツリーボアは、インドネシアに分布する小型のボアです。頭部は非常に扁平で、幅がかなり狭く長い吻端を持ちます。尾が細長く、体型も縦方向に扁平であることから、樹上生活に適応したことが伺えます。体色は灰褐色〜茶褐色を基調とし、斑紋パターンは多型があり個体によりさまざまです。

他の種類のヘビを見たい方は、ヘビ図鑑【186種類の一覧】をご覧ください。

パシフィックツリーボアの飼育に必要なもの

パシフィックツリーボアの飼育に必要なものと購入費用は、次のとおりです。

飼育用品相場価格
ケージ¥ 15,000
シェルター¥ 500
水入れ¥ 1,000
ヒーター¥ 5,000
サーモスタット¥ 10,000
パネルヒーター¥ 2,000
温湿度計¥ 2,000
登り木¥ 500
床材¥ 1,000
エサ¥ 2,000
合計金額¥ 39,000
パシフィックツリーボアの初期飼育費用

すべての飼育用品を集めると、合計でおよそ39,000円かかります。エアコンで温度を管理するなら、ヒーターとサーモスタットは必要ありません。もう少しだけ出費を抑えられるでしょう。

飼い始めた後は、『エアコン・ヒーター類の電気代』『飲み水や霧吹きに使った水の水道代』が毎月、『床材代1,000円』『エサ代2,000円』が2〜3か月ごとに発生します。

ここでは、パシフィックツリーボアの飼育に向いている、おすすめの商品をご紹介します。

飼育ケージ

パシフィックツリーボアは、地上でも樹上でも活動を行う半地上・半樹上棲の小型ヘビです。地上でも樹上でも伸び伸びと動き回れるように、床面積をやや重視した「少し横長のケージ」、もしくは幅と高さが同じ長さの「正方形型のケージ」が必要になります。

アダルトでも全長60cm〜90cmにしかならない小型種のパシフィックツリーボアは、ケージに大した高さも広さも必要としません。市販のケージだけでも、生体が伸び伸びと動けるレイアウトを組めます。成長に合わせて、次のようなサイズのケージを用意しましょう。

生体の大きさ必須サイズ[cm]推奨サイズ[cm]
ベビー幅30x奥行き30x高さ30幅45x奥行き45x高さ45
ヤング幅45x奥行き45x高さ45幅60x奥行き45x高さ45
アダルト幅60x奥行き45x高さ45幅90x奥行き45x高さ60
フルアダルト幅90x奥行き45x高さ60幅120x奥行き45x高さ60
パシフィックツリーボアのケージサイズ

爬虫類ショップで売られている生体のほとんどが、ベビー〜ヤングサイズです。これから生体を購入する方には、「幅45x奥行き45x高さ45」程度のケージをおすすめします。

『ベビーの推奨サイズ』であり『ヤングの必須サイズ』でもあるケージなら、生体がアダルトになるまでの長い期間使えます。総合的な出費をできるだけ抑えたい方は、「幅45x奥行き45x高さ45」のケージを選びましょう。

他のサイズや競合メーカーの商品をお探しの方は、関連記事『ヘビのおすすめケージ』をご覧ください。

シェルター

樹上だけでなく地上でも生活する「半地上・半樹上棲」のパシフィックツリーボアは、シェルターの設置がおすすめです。地上に落ち着ける環境を作ることで、生体は心と身体をゆっくりと休められます。

また熱い空気を遮断して体温を調整したり、脱皮のときに体を擦りつけて手がかりにしたりできるので、半地上棲のヘビでもシェルターは非常に便利です。

全長60cm〜90cmにしかならない小型種のパシフィックツリーボアには、小型のシェルターを選べば十分です。以下の表を参考にして、サイズを選んでみてください。

生体の大きさ推奨サイズ[cm]
ベビー幅5x奥行き5x高さ2.5
ヤング幅10x奥行き10x高さ5
アダルト幅15x奥行き15x高さ7.5
フルアダルト幅20x奥行き20x高さ10
パシフィックツリーボアのシェルターサイズ

爬虫類ショップで売られている生体のほとんどが、ベビー〜ヤングサイズです。これから生体を購入する方には、「幅10x奥行き10x高さ5」程度のシェルターをおすすめします。

シェルターは「すっぽりハマるくらい」もしくは「少し大きいくらい」のサイズ感がベストです。『ヤングの推奨サイズ』なら、お迎えしたほとんどの生体に使えます。サイズ選びに悩んでいる方は、「幅10x奥行き10x高さ5」を選びましょう。

他のサイズや競合メーカーの商品をお探しの方は、関連記事『ヘビのおすすめシェルター』をご覧ください。

水入れ

どのような種類のヘビを飼うにしても、水入れは設置しましょう。毎日の給餌は不要ですが、新鮮な水だけは常に用意しなければなりません。

半地上・半樹上棲のパシフィックツリーボアに使う水入れは、ゆったりととぐろを巻いて落ち着ける程度の大きさがベストです。

「脱皮前で水分を多めに補給したいとき」「体温を下げたいとき」「体の汚れやダニを落としたいとき」などに、生体は水入れを利用して水浴びができます。

全長60cm〜90cmにしかならない小型種のパシフィックツリーボアには、比較的小さめの水入れを設置しましょう。以下の表を参考にして、サイズを選んでみてください。

生体の大きさ推奨サイズ[cm]
ベビー幅5x奥行き5x高さ2.5
ヤング幅10x奥行き10x高さ5
アダルト幅15x奥行き15x高さ7.5
フルアダルト幅20x奥行き20x高さ10
パシフィックツリーボアの水入れのサイズ

爬虫類ショップで売られている生体のほとんどが、ベビー〜ヤングサイズです。これから生体を購入する方には、「幅10x奥行き10x高さ5」程度の水入れをおすすめします。

『ヤングの推奨サイズ』なら、お迎えしたほとんどの生体に使えます。サイズ選びに悩んでいる方は、「幅10x奥行き10x高さ5」を選びましょう。

他のサイズや競合メーカーの商品をお探しの方は、関連記事『ヘビのおすすめ水入れ』をご覧ください。

ヒーター

エアコンでケージ内の温度を自動管理しない場合は、ヒーターとサーモスタットを設置しましょう。爬虫類専用のヒーターを使えば、ケージ内だけを効率良く保温できます(サーモスタットについては後述)。

パシフィックツリーボアの飼育におすすめのヒーターは、GEX社が販売する以下の商品です。

『ヒーティングトップ』は、暖かい空気を下方向に伝えられるヒーターです。天面の外側に設置できるので、ケージ内を圧迫しません。また、生体が触れることもないので、火傷の心配もありません。

「幅45cm以上」のケージを選ぶなら、ヒーターは「Mサイズ」がおすすめです。「Sサイズ」よりも保温能力が高く、冬場の思わぬ温度不足を防ぎやすくなります。サーモスタットで稼働をコントロールできるため、電気代はほぼ変わりません。

稼働するヒーターの個数が多いほど、ケージ内の保温能力は高くなります。日本の冬場はかなり冷え込むので、ケージの大きさに合わせて複数個設置しましょう。

サーモスタット

エアコンでケージ内の温度を自動管理しない場合は、ヒーターと一緒に「サーモスタット」が必要になります。

サーモスタットとは、設定温度になるようにヒーターを自動でオンオフしてくれる装置のことです。付属のセンサーをケージ内に設置するだけで、温度をリアルタイムで調整してくれます。

パシフィックツリーボアの飼育におすすめのサーモスタットは、GEX社が販売する以下の商品です。

『タイマーサーモ』は、設定時間ごとに設定温度を変えられるサーモスタットです。設定を昼夜で変えれば、より自然らしい温度変化を再現できます。また、デジタルタイプなので数値が見やすく、誤操作による事故を防ぎやすいのもポイントです。

変温動物であるヘビの飼育において、サーモスタットは最重要のアイテムです。エアコン管理ができない方は、飼育前に必ず用意しましょう。

パネルヒーター

半地上・半樹上棲であるパシフィックツリーボアは、地上でも樹上でも活動を行います。地上と樹上、どちらも温められるパネルヒーターは、非常に相性の良い暖房器具です。

設置するときは、床面の1/3〜1/2程度に敷くか、側面に貼り付けましょう。外側からケージの一部を温めることで、内部に温度勾配を作り出します。地上や樹上に寒暖差を作れば、ヘビが自分自身で体温を調整できるからです。

これからパシフィックツリーボアを迎える方が「幅45x奥行き30x高さ30」のケージを選ぶとすると、パネルヒーターは『Mサイズ』がぴったりです。

今後ケージのサイズアップを検討している方は、ワンサイズ上の『Lサイズ』がおすすめです。少し大きくても、ケージからはみ出して使えば何ら問題ありません。

温湿度計

ケージ内の温度・湿度を管理するためには、温湿度計が必要です。サーモスタットを使う場合でも、二重チェック用としての設置をおすすめします。

ヘビの飼育においては、スマホと連携できるデジタル式の温湿度計がとても便利です。

この温湿度計なら、温度・湿度を記録して、連携したスマホで確認できます。また、設定温度を上回ったり、下回ったりしたときに警告が通知されるので、事故を未然に防ぐことも可能です。

IT技術を積極的に活用して、あなたにとってもペットにとっても、安心安全かつ快適な飼育を目指しましょう。

登り木

半地上・半樹上棲であるパシフィックツリーボアは、ときおり木に登り、樹上でも生活します。そのため、飼育下において生体の魅力を引き出したいなら、登り木(止まり木)を設置するのがおすすめです。

登り木は、生体が落ち着けるように少なくとも一本、ケージ側面に両端を伸ばして水平に設置します。二本目以降は、水平でなくても構いません。ただし、生体が体温調整しやすいように、高さを変えて設置しましょう。

また、登り木の太さは「生体と同じくらい」、もしくは「少し太いくらい」がベストです。購入するときは長さだけでなく、太さにも注目してみてください。

これからパシフィックツリーボアを迎える方が「幅45x奥行き30x高さ30」のケージを選ぶとすると、登り木はサイズの合った『突っ張り棒』がおすすめです。

生体の成長とケージのサイズアップに合わせて、登り木をより長く、より太いものに買い替えましょう。

床材

ヘビにとって床材は、温度・湿度・隠蔽性・肌触りなどの「暮らしの快適さ」を決める重要なアイテムです。そのヘビの生態に合わせた最適な床材を使う必要があります。

パシフィックツリーボアの飼育に最もおすすめな床材は、「バークチップ」です。

バークチップは、ほどよい保湿性と美しい見た目を持つ床材です。より自然らしいレイアウトを組めます。また、粒が大きいので、誤飲を防げるのも特徴です。

パシフィックツリーボアに使える床材は、他にもいくつかあります。気になる方は、下記の表を参考にしてください。

床材の種類相性
キッチンペーパー
ペットシーツ
ミズゴケ
針葉樹チップ
バークチップ
ヤシガラ土
砂(サンド)
パシフィックツリーボアの床材

それぞれの床材のメリット・デメリット・使い方について、詳しく知りたい方は関連記事『ヘビのおすすめ床材』をご覧ください。

エサ

野生下のパシフィックツリーボアは、次のような動物を捕食しています。

パシフィックツリーボアの食性

スキンクやヤモリなどのトカゲ類。カエルやげっ歯類の捕食例もあり

飼育下でのエサは、パシフィックツリーボアの食性に適しており、定期的に入手しやすい「マウス・ラット」がおすすめです。

エサ用のマウスは、ヘビのエサとして最も選ばれているエサです。流通量が多く、通販でも爬虫類専門店でも入手できるので、在庫切れのリスクは少なめです。アダルトだけでなく、成長途中のサイズでも販売されているので、生体の大きさに合わせて選びましょう。

大きさの選び方や他のエサの種類について知りたい方は、関連記事『ヘビのおすすめのエサ』をご覧ください。

他の種類のヘビを見たい方は、ヘビ図鑑【186種類の一覧】をご覧ください。