トリカラーホグノーズとは
分類 | 爬虫綱 有鱗目 ヘビ亜目 ナミヘビ上科 ナミヘビ科 マイマイヘビ亜科 ヒラタヘビ属 |
代表名 | トリカラーホグノーズ |
別名 | キタサンゴソリバナヘビ |
英名 | Tri-color Hognose Snake |
学名 | Xenodon pulcher |
全長 | 35cm〜50cm |
分布 | ブラジル、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン |
生態 | 地上棲 |
食性 | カエル。魚類、トカゲ、ヘビ、ネズミなどの小型哺乳類の捕食例もあり |
繁殖形態 | 卵生 |
特定動物 | |
特定外来生物 | |
天然記念物 | |
希少野生動植物種 |
トリカラーホグノーズは、南アメリカ大陸に分布する小型のナミヘビです。赤・黒・黄の帯模様が並んだ美しい見た目をしており、吻端は上方に反り上がっています。赤色部分が消失した「バイカラー」、帯模様を交互にずらした「デジタル」などの品種が作出されており、国内ではCB個体が流通します。
他の種類のヘビを見たい方は、ヘビ図鑑【186種類の一覧】をご覧ください。
トリカラーホグノーズの飼育に必要なもの
トリカラーホグノーズの飼育に必要なものと購入費用は、次のとおりです。
飼育用品 | 相場価格 |
---|---|
ケージ | ¥ 10,000 |
シェルター | ¥ 500 |
水入れ | ¥ 1,000 |
ヒーター | ¥ 5,000 |
サーモスタット | ¥ 10,000 |
パネルヒーター | ¥ 4,000 |
温湿度計 | ¥ 2,000 |
登り木 | ¥ ー |
床材 | ¥ 1,300 |
エサ | ¥ 2,000 |
合計金額 | ¥ 35,800 |
すべての飼育用品を集めると、合計でおよそ35,800円かかります。エアコンで温度を管理するなら、ヒーターとサーモスタットは必要ありません。もう少しだけ出費を抑えられるでしょう。
飼い始めた後は、『エアコン・ヒーター類の電気代』『飲み水や霧吹きに使った水の水道代』が毎月、『床材代1,300円』『エサ代2,000円』が2〜3か月ごとに発生します。
ここでは、トリカラーホグノーズの飼育に向いている、おすすめの商品をご紹介します。
飼育ケージ
トリカラーホグノーズは、主に地上で活動を行う地上棲の小型ヘビです。地上で伸び伸びと動き回れるように、高さよりも床面積を重視した「横長のケージ」が必要になります。
アダルトでも全長35cm〜50cmにしかならない小型種のトリカラーホグノーズは、そこまで広いケージを必要としません。市販のケージだけでも、生体が伸び伸びと動けるレイアウトを組めます。成長に合わせて、次のようなサイズのケージを用意しましょう。
生体の大きさ | 必須サイズ[cm] | 推奨サイズ[cm] |
---|---|---|
ベビー | 幅30x奥行き30x高さ30 | 幅45x奥行き30x高さ30 |
ヤング | 幅45x奥行き30x高さ30 | 幅60x奥行き45x高さ30 |
アダルト | 幅60x奥行き45x高さ30 | 幅90x奥行き45x高さ45 |
フルアダルト | 幅90x奥行き45x高さ45 | 幅120x奥行き45x高さ45 |
爬虫類ショップで売られている生体のほとんどが、ベビー〜ヤングサイズです。これから生体を購入する方には、「幅45x奥行き30x高さ30」程度のケージをおすすめします。
『ベビーの推奨サイズ』であり『ヤングの必須サイズ』でもあるケージなら、生体がアダルトになるまでの長い期間使えます。総合的な出費をできるだけ抑えたい方は、「幅45x奥行き30x高さ30」のケージを選びましょう。
他のサイズや競合メーカーの商品をお探しの方は、関連記事『ヘビのおすすめケージ』をご覧ください。
シェルター
主に地上で生活する「地上棲」のトリカラーホグノーズは、シェルターの設置が必要です。樹木のない開けたレイアウトでも、シェルターがあればヘビは体を隠すことができ、心を落ち着けられます。
また天井から降り注ぐ熱い空気を遮断したり、ゴツゴツとした表面に体を擦りつけて脱皮をしたりと、シェルターは大活躍です。
全長35cm〜50cmにしかならない小型種のトリカラーホグノーズには、小型のシェルターを選べば十分です。以下の表を参考にして、サイズを選んでみてください。
生体の大きさ | 推奨サイズ[cm] |
---|---|
ベビー | 幅5x奥行き5x高さ2.5 |
ヤング | 幅10x奥行き10x高さ5 |
アダルト | 幅15x奥行き15x高さ7.5 |
フルアダルト | 幅20x奥行き20x高さ10 |
爬虫類ショップで売られている生体のほとんどが、ベビー〜ヤングサイズです。これから生体を購入する方には、「幅10x奥行き10x高さ5」程度のシェルターをおすすめします。
シェルターは「すっぽりハマるくらい」もしくは「少し大きいくらい」のサイズ感がベストです。『ヤングの推奨サイズ』なら、お迎えしたほとんどの生体に使えます。サイズ選びに悩んでいる方は、「幅10x奥行き10x高さ5」を選びましょう。
他のサイズや競合メーカーの商品をお探しの方は、関連記事『ヘビのおすすめシェルター』をご覧ください。
水入れ
どのような種類のヘビを飼うにしても、水入れは設置しましょう。毎日の給餌は不要ですが、新鮮な水だけは常に用意しなければなりません。
地上棲のトリカラーホグノーズに使う水入れは、ゆったりととぐろを巻いて落ち着ける程度の大きさがベストです。
「脱皮前で水分を多めに補給したいとき」「体温を下げたいとき」「体の汚れやダニを落としたいとき」などに、生体は水入れを利用して水浴びができます。
全長35cm〜50cmにしかならない小型種のトリカラーホグノーズには、比較的小さめの水入れを設置しましょう。以下の表を参考にして、サイズを選んでみてください。
生体の大きさ | 推奨サイズ[cm] |
---|---|
ベビー | 幅5x奥行き5x高さ2.5 |
ヤング | 幅10x奥行き10x高さ5 |
アダルト | 幅15x奥行き15x高さ7.5 |
フルアダルト | 幅20x奥行き20x高さ10 |
爬虫類ショップで売られている生体のほとんどが、ベビー〜ヤングサイズです。これから生体を購入する方には、「幅10x奥行き10x高さ5」程度の水入れをおすすめします。
『ヤングの推奨サイズ』なら、お迎えしたほとんどの生体に使えます。サイズ選びに悩んでいる方は、「幅10x奥行き10x高さ5」を選びましょう。
他のサイズや競合メーカーの商品をお探しの方は、関連記事『ヘビのおすすめ水入れ』をご覧ください。
ヒーター
エアコンでケージ内の温度を自動管理しない場合は、ヒーターとサーモスタットを設置しましょう。爬虫類専用のヒーターを使えば、ケージ内だけを効率良く保温できます(サーモスタットについては後述)。
トリカラーホグノーズの飼育におすすめのヒーターは、GEX社が販売する以下の商品です。
『ヒーティングトップ』は、暖かい空気を下方向に伝えられるヒーターです。天面の外側に設置できるので、ケージ内を圧迫しません。また、生体が触れることもないので、火傷の心配もありません。
「幅45cm以上」のケージを選ぶなら、ヒーターは「Mサイズ」がおすすめです。「Sサイズ」よりも保温能力が高く、冬場の思わぬ温度不足を防ぎやすくなります。サーモスタットで稼働をコントロールできるため、電気代はほぼ変わりません。
稼働するヒーターの個数が多いほど、ケージ内の保温能力は高くなります。日本の冬場はかなり冷え込むので、ケージの大きさに合わせて複数個設置しましょう。
サーモスタット
エアコンでケージ内の温度を自動管理しない場合は、ヒーターと一緒に「サーモスタット」が必要になります。
サーモスタットとは、設定温度になるようにヒーターを自動でオンオフしてくれる装置のことです。付属のセンサーをケージ内に設置するだけで、温度をリアルタイムで調整してくれます。
トリカラーホグノーズの飼育におすすめのサーモスタットは、GEX社が販売する以下の商品です。
『タイマーサーモ』は、設定時間ごとに設定温度を変えられるサーモスタットです。設定を昼夜で変えれば、より自然らしい温度変化を再現できます。また、デジタルタイプなので数値が見やすく、誤操作による事故を防ぎやすいのもポイントです。
変温動物であるヘビの飼育において、サーモスタットは最重要のアイテムです。エアコン管理ができない方は、飼育前に必ず用意しましょう。
パネルヒーター
地上棲であるトリカラーホグノーズは、主に地上で生活します。パネルヒーターは地上付近の空気を効率良く温められるので、非常に相性の良い暖房器具です。
床全面ではなく、1/3〜1/2程度に接するようにケージ床面の外側に設置し、内部に温度勾配を作りましょう。地上付近に温かいエリアと寒いエリアを用意すれば、ヘビが自分自身で体温を調整できます。
これからトリカラーホグノーズを迎える方が「幅45x奥行き30x高さ30」のケージを選ぶとすると、パネルヒーターは『Mサイズ』がぴったりです。
今後ケージのサイズアップを検討している方は、ワンサイズ上の『Lサイズ』がおすすめです。少し大きくても、ケージからはみ出して使えば何ら問題ありません。
温湿度計
ケージ内の温度・湿度を管理するためには、温湿度計が必要です。サーモスタットを使う場合でも、二重チェック用としての設置をおすすめします。
ヘビの飼育においては、スマホと連携できるデジタル式の温湿度計がとても便利です。
この温湿度計なら、温度・湿度を記録して、連携したスマホで確認できます。また、設定温度を上回ったり、下回ったりしたときに警告が通知されるので、事故を未然に防ぐことも可能です。
IT技術を積極的に活用して、あなたにとってもペットにとっても、安心安全かつ快適な飼育を目指しましょう。
床材
ヘビにとって床材は、温度・湿度・隠蔽性・肌触りなどの「暮らしの快適さ」を決める重要なアイテムです。そのヘビの生態に合わせた最適な床材を使う必要があります。
トリカラーホグノーズの飼育に最もおすすめな床材は、「ヤシガラ土」です。
ヤシガラ土は、保湿性と排泄物の分解に優れた床材です。バクテリアによる働きで、排泄物を分解でき、悪臭や雑菌を軽減してくれます。ただし完全ではなく、排泄物の処理は必要です。
トリカラーホグノーズに使える床材は、他にもいくつかあります。気になる方は、下記の表を参考にしてください。
床材の種類 | 相性 |
---|---|
キッチンペーパー | |
ペットシーツ | |
ミズゴケ | |
針葉樹チップ | |
バークチップ | |
ヤシガラ土 | |
砂(サンド) | |
水 |
それぞれの床材のメリット・デメリット・使い方について、詳しく知りたい方は関連記事『ヘビのおすすめ床材』をご覧ください。
エサ
野生下のトリカラーホグノーズは、次のような動物を捕食しています。
カエル。魚類、トカゲ、ヘビ、ネズミなどの小型哺乳類の捕食例もあり
飼育下でのエサは、トリカラーホグノーズの食性に適しており、定期的に入手しやすい「マウス・ラット」がおすすめです。
エサ用のマウスは、ヘビのエサとして最も選ばれているエサです。流通量が多く、通販でも爬虫類専門店でも入手できるので、在庫切れのリスクは少なめです。アダルトだけでなく、成長途中のサイズでも販売されているので、生体の大きさに合わせて選びましょう。
大きさの選び方や他のエサの種類について知りたい方は、関連記事『ヘビのおすすめのエサ』をご覧ください。
他の種類のヘビを見たい方は、ヘビ図鑑【186種類の一覧】をご覧ください。
- 中井 穂瑞領(著), ヘビ大図鑑 ナミヘビ上科、他編, 株式会社 誠文堂新光社, 2021, 384p.
- 中井 穂瑞領(著), ヘビ大図鑑 ボア・ニシキヘビ編, 株式会社 誠文堂新光社, 2020, 223p.
- 海老沼 剛(著), 世界の美しいヘビ, 株式会社グラフィック社, 2018, 192p.
- 田原 義太慶(編著), 大蛇全書, 株式会社グラフィック社, 2022, 384p.
- 田原 義太慶(監修・著), 毒ヘビ全書, 株式会社グラフィック社, 2020, 336p.