「うちのボールパイソンがひっくり返ったり、プルプル震えたりしてる!これってこのまま放っておいても大丈夫なのかな…あとこういった症状が出やすいのはどんなモルフだろう?」
このような悩みを初心者飼育者は持つと思います。
これからボールパイソンを飼い始める人も、神経障害という言葉は気になりますよね。
結論からお伝えすると、神経障害は「スパイダー系のモルフ」に表われやすい先天性障害の一つですが、命の別状は全くありません。
神経障害は良くある話なので、全く怖がるような得体の知れない障害ではありません。
きちんと理解すれば、きっと安心して神経障害を持ちやすいスパイダー系のモルフを飼うこともできるはずです。
本記事ではボールパイソンにおける神経障害の概要、症状などについて詳しく解説します。
これから長い長い飼育をするうえで、神経障害についての理解を深めて飼育の知識を増やしましょう!
ボールパイソンの神経障害とは?【原因やモルフの関係】
ボールパイソンの神経障害とは、通常よりも平衡感覚が低下する先天性障害のことで、主に「スパイダー」を持つモルフに発症します。
つまり、神経障害の発症の原因は遺伝によるものです。
日本では神経障害と言われますが、海外では「wooble」(日本では「ぐらつき」の意味)と呼ばれています。
ボールパイソンの歴史上、スパイダーモルフが流行したとき、奇形と同じような扱いを受けて極端に嫌われていた過去があります。
しかし優性遺伝のスパイダーは、どんなモルフと組み合わせても相性が良い魅力的な存在であり、神経障害という弱点を加味しても重宝されてきました。
そのため神経障害が仮にあろうとも、ブリーダーや販売店はスパイダー系のモルフを生み出すと思います。
また神経障害が出るモルフとして、一説では「ウォマ」や「ピンストライプ」などもあるそうですが、有力な情報は少なく、個体差の範疇かもしれませんね。
ボールパイソンの神経障害の症状と経験談
神経障害の症状
一概に神経障害て言っても個体差が大きく、症状の程度は飼い始めるまで分かりません。
具体的な症状の下記のとおりです。
- 軽症なもの:微妙な頭の揺れくらいだけで、ほとんど気づかない程度
- 重症なもの:体をひっくり返して動き回ったり、回転を何度も繰り返したりするので明らかに変わっている動き
しかし神経障害はデメリットだけではなく、他にはないメリットを持つ可能性もあります。
なぜなら神経障害を持つ個体は、普通よりもエサ食いが良くて繁殖に強いと言われるからです。
そのため、飼育者の中では神経障害を考慮しても、飼育が楽なモルフだなんて意見もあります。
管理人の経験談
私の飼っているモルフ「クイーンビー」もスパイダーが入っており、神経障害が発症しています。
もちろん神経障害がある可能性について、販売店から十分な説明を受けたうえで購入しました。
見た目で純粋に惚れたので、障害があっても大丈夫と判断したのです。
そして実際に飼い始めると、
ベビーの頃は何度もひっくり返ったり、回転する動きを繰り返したりしていました。
当初は心配でしたが、なんだかコイツの個性のように思えてきて、気にしなくなりました(笑)
現在は飼い始めてから3年近く経過し、
セミアダルトサイズまで育ちましたが、症状は緩和されました。
完全ではないものの、以前よりも特異な行動をしなくなり、むしろ少し寂しいくらいです…
しかし、上記の噂のような「エサ食いの良さ」については個人的には感じられませんでした。
むしろエサ食いが悪い方だし、視力も弱いのかアタックもへたくそです(笑)
個体差といえばそれまでですが、スパイダーとエサ食いの相関性については疑問が残りますね。
ボールパイソンの神経障害の改善方法はある?
結論から言うと、自然治癒でしか治らないと思います。
というのも、残念ながら私が調べる限りは獣医学的にボールパイソンの神経障害を治したなんて情報は一切ありませんでした。
しかし、飼育者の中にはボールパイソンの成長と共に完治した症例もあるし、私のように症状が緩和した症例もあります。
特に命の別状は無さそうなので、成長と共に気長に様子を見ればいいと思います。
また過去には神経障害のない遺伝子で交配を繰り返し、何とか神経障害が発症しないスパイダーを生み出そうとしていたそうです。
しかし結局、症状が軽い親からも、症状が重い子どもが生まれてしまうため、計画は終了しました。
スパイダー系を飼いたい人は、神経障害が「あるもの」という前提を持ち、治ったらラッキーくらいの気持ちでいましょう!
飼育者の私からしたら、あほっぽくてむしろ可愛いくらいですよ(笑)
ボールパイソンの神経障害のまとめ
以上、ボールパイソンにおける神経障害の症状や原因【スパイダー入りモルフ】でした!
最後に神経障害についてまとめておきます。
- 神経障害は平衡感覚が低下した先天性障害のことでスパイダー系のモルフに多い
- 症状は個体差が大きく、軽症は頭を震わせる程度、重症はひっくり返ったり回転したりする
- ボールパイソンの神経障害は、現在のところ治療法は存在しないが、個体によっては自然治癒もしくは緩和する
- 神経障害は命に別状はないので、個性だと思えば何の問題もなく育てられる
ボールパイソンの神経障害は、怖がるほどのものではないと分かってもらえたでしょうか?
気になる人はYouTubeで検索したり、購入するとき販売店から見せてもらうようにしてくださいね!