ボールパイソンに飼育許可は不要「なぜ特定動物ではない?」

「ボールパイソンは飼育許可がいるの?」「申請が必要な『特定動物』にあたる?」という悩みにお答えします。

ボールパイソンに飼育許可は、必要ありません。特定動物にも当たらないので、誰でも飼えます。

しかし「あるケース」では、特定動物にあたるので注意しなければなりません。今回はその点も踏まえて、詳しく解説します。

ボールパイソンに飼育許可はいらない

ボールパイソンに飼育許可はいらない

結論、ボールパイソンに飼育許可は必要ありません。法律的には、誰でも飼育が許されています。

飼育許可が必要な動物は「特定動物」として法律で定められています。ボールパイソンは、その特定動物に該当しません。

これからボールパイソンを飼いたい方は、飼育に必要な知識と道具をそろえれば、生体を迎え入れられるのです。

管理人の許可は必要

ペット禁止のマンションやアパートに住んでいる場合は、管理人の許可を取りましょう。

犬や猫と違ってボールパイソンは臭いも弱く、鳴きません。近隣住民に気付かれる可能性は低いでしょう。

しかし、脱走や気付かれてしまったとき大問題になります。いまだに世間では、蛇に対して「危険」なイメージを持つ人が大半です。

後々のトラブル対策のために、面倒でも安全を期して飼育の許可を取りましょう。

家族に理解を求める

ケージ内で飼育するボールパイソンが、家族に危害を加える可能性はきわめて低いでしょう。

しかし、飼育後のトラブルを避けるためにも、家族の理解があるに越したことはありません。

エサである冷凍マウスを冷蔵庫で管理するとなると、大抵の人は良い顔をしないでしょう。

また日本の冬場は、ヒーターで温度管理しなければ乗り越えられません。電気代が高くなるのは避けられないでしょう。

これから長い間ともに生活することを考えると、遅かれ早かれ、家族の理解がほしいところです。

ボールパイソンが特定動物に当たらない理由

ボールパイソンが特定動物に当たらない理由

ここまで読んで、ボールパイソンに飼育許可が必要ないことはご理解いただけたことでしょう。

ではなぜ、ボールパイソンが特定動物に当たらないのか。その理由について、詳しく解説します。

そもそも特定動物とは

特定動物は「動物愛護管理法」により定義されています。環境省HPでは、下記のように説明されていました。

人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種(特定動物)は令和2年6月1日から愛玩目的等で飼養することが禁止されました。

特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について|環境省

つまりは特定動物とは「人に危害を加えるおそれのある危険な動物」を法律で定めているのです。

そして、ここでいう危害とは「人を殺傷しうる程度」の話をしています。単純に噛む噛まないではなく、その危害の大きさがポイントです。

ボールパイソンが特定動物ではない理由

ボールパイソンは「人に危害を加えるおそれがない」とは言い切れません。しかし殺傷能力が高いとは到底言えません。

その理由は、次のとおりです。

  • 性格がおとなしい
  • 毒を持たない
  • 体が小さい

種として性格がおとなしいので、そう簡単には暴れません。また噛まれても、毒がないので外傷による怪我がほとんどです。

よくニュースでは「最大全長1.5mのニシキヘビ」と、大きいような言い回しをされます。一見大きいように感じますが、ニシキヘビのなかでもかなり小型な部類です。

下記の記事で「ボールパイソンの大きさ」について、詳しく解説しています。

ボールパイソンの年齢別の大きさと最大!成長速度がすごい!

特定動物である同じニシキヘビの「アミメニシキヘビ」は全長3〜5m、「インドニシキヘビ」は全長2〜3.5mと言われています。

特定動物に当たる蛇一覧

実際に、日本で特定動物とされている蛇は、次のような種類です。

種類全長
アメジストニシキヘビ3〜5m
オーストラリアヤブニシキヘビ3〜5m
インドニシキヘビ3〜5m
アミメニシキヘビ5〜6m
アフリカニシキヘビ4〜6m
特定動物のニシキヘビ

全長1.5mのボールパイソンと比べて、かなり大きいニシキヘビが特定動物にあたります。

当然、全長が大きくなると体重も増えて、力も強くなるので危険性がぐっとアップするのです。

雑種になると特定動物に当たる

雑種になると特定動物に当たる

ボールパイソンは、特定動物に当たらないと言いましたが、これは純血種に限った話です。

環境省の説明からわかるように、ボールパイソンと特定動物の交配から生まれた交雑種は、特定動物に当たります。

人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種(特定動物)は令和2年6月1日から愛玩目的等で飼養することが禁止されました。

特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について|環境省

なかには、カーペットパイソンと交配して誕生した「カーボール」と呼ばれる新種もいますが、こちらは両方とも非特定動物です。

ボールパイソンと特定動物の交雑種はめったに販売されておらず、入手も困難なことを考えると、初心者が大して気にする必要もないでしょう。

ボールパイソンの飼育費用と必要なもの

ボールパイソンの飼育費用と必要なもの

ここまで読んで「ボールパイソンを飼いたい!」と思った方のために、飼育費用と必要なものをご紹介します。

必要なもの金額相場
ケージ12,000円
シェルター1,500円
水入れ1,500円
エサ2,000円(10匹パック)
床材1,500円(交換約3回分)
温湿度計1,500円
ヒーター4,000円
サーモスタット8,000円
簡易温室3,000円
合計35,000円
ボールパイソンの飼育に必要なもの

ボールパイソンの初期費用は、およそ35,000円です。正直、決して安い金額ではありません。

しかし「給餌頻度が低く、エサ代が安い」ので、ランニングコストは低めです。もっとお金がかかるのは、初期なので安心してください。

選び方とおすすめ商品は、「ボールパイソンの飼育に必要なもの」で詳しく解説しています。

ボールパイソンのケージレイアウト ボールパイソンの飼育ケージレイアウト【シンプルis最高】

ボールパイソンは安全に飼える蛇

ボールパイソンは特定動物に当たらず、飼育許可がいらない蛇です。

決して噛まないわけではありません。しかし、許可がなくても飼育できる程度と、安全性は法律をもって保証されています。

「蛇を飼ってみたい!」と考えている方に、ボールパイソンはぴったりなのです。