ボールパイソンが多頭飼育できない理由【なぜ同居できない】

ボールパイソンが多頭飼育できない理由【なぜ同居できないのか】

初心者
初心者

ボールパイソンって多頭飼育できるの?同居させて、共食いやケンカしないかな?

このような悩みにお答えします。

結論として、ボールパイソンを始めとするヘビ類は、基本的に多頭飼育できません。

この記事では「多頭飼育できない理由」「同居が許される特殊なケース」をご紹介します。

ボールパイソンの多頭飼育はおすすめしない

ボールパイソンの多頭飼育はおすすめしない

結論として、ボールパイソンの多頭飼育(同居で飼うこと)はおすすめしません。

インターネット上では「多頭飼育できる」という情報も散見されます。

もちろん動物なので、無理やり同じケージ飼うという意味では「できる」と言えます。

しかし、ボールパイソンの生態・性質上、基本的には「おすすめはできない」のが現実です。

個人の飼育と動物園は別物!

はじめに、「個人の飼育」と「動物園の飼育」はまったく別物だということをご理解ください。

動物園では、専門の知識と多くの経験を持った人が、家庭用のケージより何倍も広い環境で飼育しています。

「動物園では多頭飼いしていた」という理由は、通用しません。その点をご理解した上で、この先の解説をご覧ください。

ボールパイソンが多頭飼育できない理由

ボールパイソンが多頭飼育できない理由

ボールパイソンが多頭飼育できない理由は、以下のとおりです。

  • もともと単独で生きる
  • ストレスで拒食になる
  • 意図せず交尾させる

それぞれの理由について、詳しく解説します。

もともと単独で生きる

ボールパイソンを始めとするヘビ類は、もともと単独で生きる動物です。

母親が生んだ卵を温めることはあっても、孵化した後に子育てをしません。また、群れで狩りをすることもありません。

海外の研究によると、一部のヘビでは「効率的に狩りをするため、一時的に協力体制を敷く」こともあるようです。

参考:ヘビも群れる。グループで狩りを行うヘビの存在が明らかに(米研究)

つまり、そもそもヘビは多頭飼育に向いている動物ではありません。本能的に社交性がない動物を同居させるのは、控えるべきでしょう。

飼育をするうえで、生態を知ることは大切です。「ボールパイソンの生態」を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

ボールパイソンとは?生息地や野生の暮らしを解説【初心者向け】ボールパイソンとは?特徴や飼育方法をプロが解説【初心者向け】

ストレスで拒食になる

ボールパイソンは、ストレスによって拒食(餌を食べない)に陥ることがあります。

同居させてみて一見うまくいったようでも、じわじわと調子を崩していくかもしれません。

両者のパワーバランスが悪かったり、エサの取り合いになったりすれば、片方には大きくストレスがかかります。

環境変化による影響を受けやすいボールパイソンにとって、多頭飼育は不向きなのです。

意図せず交尾させる

基本的にボールパイソンの交尾は、クーリングによるトリガーが必要です。

クーリングとは?

クーリングとは、擬似的に温度差を付けて、繁殖の時期が来たと勘違いさせ、発情を促すこと。

とはいえ、オスとメスをつがいで放置し、温度差が生まれたら交尾をするかもしれません。可能性は、ゼロではありません。

まだメスが繁殖に厳しい大きさのときに、望まぬ妊娠は避けたいところです。

繁殖目的でなければ、むやみにオスとメスを同居させるのはやめましょう。

ボールパイソンの同居が許されるケース

ボールパイソンの同居が許されるケース

ボールパイソンの多頭飼育は、基本的にはおすすめできません。

しかし、同居が許されるケースもあるので、詳しく解説していきます。

  • 専門的な知識がある
  • 超広大なケージで飼える
  • 繁殖を狙っている

専門的な知識がある

言わずもがなですが、あなたに専門的な知識があれば、多頭飼育をしても構いません。

反対に言えば、専門的な知識がなければおすすめしないということです。

超広大なケージで飼える

超広大なケージであれば、多頭飼育は可能です。「超広大」とは、市販の90cmよりも大きいものを指します。

同じ空間にいても、単独で暮らせるようなスペースを確保できれば、一緒に飼うことも可能です。

とはいえ、温度管理やスペース確保など、別の問題が発生します。また、あなたのイメージする多頭飼育とは別物かもしれません。

それでも、ひとつの空間に同居させたいという人にはおすすめの方法です。

繁殖を狙っている

繁殖を狙っているなら、一定期間だけオスとメスのつがいを同居させることができます。

その際は、エサの頻度を低くしたり、クーリングにより発情を促したりなど、工夫が必要です。

当サイトでは、爬虫類の安易な繁殖は推奨していません。新たな生命を預かる覚悟がなければ、軽々しく繁殖させるのはやめましょう。

ボールパイソンは「1ケージ1匹」で飼おう

今回は「ボールパイソンの多頭飼育」について解説しました。

思わぬ死亡事故やケガを起こさないよう、安易なチャレンジはやめておきましょう。

ボールパイソンは、単独飼育でも十分魅力的な動物です。テラリウムによるレイアウト作りなどは、答えのない奥深さがあります。

多頭飼育にとらわれず、広い視点を持ってあなたなりの飼育の楽しみ方を見出してみてください。

【保存版】ボールパイソンの飼育方法【必要なもの・初期費用】ボールパイソンの飼育方法と初期費用【初心者向け】