ボールパイソンがうんちをしない!便秘の原因と対処法を知りたい!
このような悩みにお答えします。
ボールパイソンの便秘になる原因は、ほとんどが飼育環境です。温浴のやり方を紹介するので、まずはご自分で対処してみてください。
そして、もう一度便秘にしないための対策が大切です。正しい飼育環境の作り方や対策グッズについても、参考にしてください。
ボールパイソンのフンと尿酸の違い
ボールパイソンの便秘とは「フン」もしくは「尿酸」が排泄口内の入り口を塞ぎ、排泄できなくなる状態を指します。
まずは、便秘の対処法を知る前に、フンと尿酸の違いを理解しておきましょう。
フンとは
フンとは「食物が消化管を通って排出された固体状の排泄物」のことです。「糞」「うんち」「うんこ」とも呼ばれます。
ボールパイソンのフンは、総排泄孔から排出されます。総排泄腔は、尿・尿酸・卵を排出するときにも使われる部位です。
尿酸とは
尿酸とは「タンパク質代謝の結果、ヘビの体内で生成される窒素化合物」のことです。
白い粘液状のペースト、あるいは湿って壊れやすいチョーク状になり、尿とともに排出されます。
ボールパイソンの一回の尿は、他の蛇と比べて少なめです。乾季のある自然環境に生息するため、体内に水分を貯めておくことができます。
尿酸は、尿管を通過して腎臓から総排泄腔へと送り込まれて排出されます。
ボールパイソンの便秘の確認方法
ボールパイソンの便秘は、素人でも触診で確認できることがあります。
総排泄腔の上部あたりを優しく圧迫してみてください。大きくて硬い異物を感じ取れたら、フンや尿石が詰まっている証拠です。
特に見つからない場合は、まだ便秘ではない可能性もあります。蛇は、すぐに便をしないからと言って、ただちに便秘であるとは言えません。
ボールパイソンの脱糞の適切な頻度
ボア・パイソンの一種であるボールパイソンは、基本的には数回の食事の後に脱糞をします。
そのため給餌頻度が高ければ高ければ、あわせて脱糞の頻度も高くなります。
給餌頻度が低いときは、排出するものがないうえ、できるだけエネルギーを吸収しようとするので、なかなか便をしません。
ボア・パイソンはもともと便を貯めやすい体質です。すぐに脱糞をしないからといって、給餌を止めないようにしましょう。
ボールパイソンの便秘の対処法
ボールパイソンの便秘の対処法は、3つあります。あなたの熟練度や生体の様子から、適切な対処法を選んでください。
- 環境を改善する
- 温浴させる
- 指で押し出す
環境を改善する
最初にやるべきは、飼育環境の改善です。温湿度やレイアウトが原因の場合、改善するだけで解決することがあります。
- 温度・湿度を高める
- シェルターや流木を入れる
- 体が丸ごと入る水入れを置く
これらの改善ポイントは、便秘を再発させないためにも必要な対処です。
その理由については、ボールパイソンの便秘の原因をご覧ください。
温浴させる
飼育初心者なら、まずは試していただきたいのが温浴です。もっとも簡単な対処法なので、試してみてください。
30℃前後のぬるま湯に生体を入れて、15分程度様子を見ます。ぬるま湯は、おぼれない程度の深さにしてください。
大切なのは、1日に長時間ではなく、15分程度を3〜4日繰り返すことです。生体にストレスをかけすぎないよう、注意しましょう。
指で押し出す
総排泄腔のあたりに固くなったフン・尿酸を指で押し出すことで、便秘を解消できます。
指で圧迫しながら、フン・尿酸を押し上げて総排泄孔から排出させます。「歯磨きのチューブを絞り出す」イメージです。
この方法は、加減を間違えると生体にケガをさせてしまうので、初心者にはおすすめしません。
少しでも不安がある方は、お近くの動物病院・購入したショップで相談しましょう。
ボールパイソンの便秘の原因と対策
ボールパイソンの便秘の主な原因と対策を3つご紹介します。これらの原因を取り除くことは、便秘を再発させないためにも有効です。
- 脱皮前
- 温度・湿度が低い
- 運動不足
脱皮前
なかには気にしない個体もいるようですが、ほとんどのボールパイソンは、脱皮前になると排便をしません。
脱皮のとき一緒に排便、もしくは脱皮後に排便します。
便秘の原因がこれだけなら、あせらず脱皮をまつだけで問題ありません。
生体が脱皮前の状態にあるかどうか、確認してみましょう。
見極め方は「ボールパイソンの脱皮前の状態」で解説しています。
温度が不適切
ケージ全体の温度が適切ではないと、便秘を引き起こします。
温度が低いと、生体は暖を取ろうとして熱源に巻き付いたり、居座り続けたりします。
その結果、運動不足になり、腸内の大便は排出されません。それどころか水分を奪われてカチコチになります。
反対に温度が高すぎると、生体が脱水症状を起こします。するとまた、水分が奪われるのです。
ケージ内は、ボールパイソンの適切な飼育温度28〜32℃を保てるようにしましょう。
詳しく知りたい方は「ボールパイソンの温度」をご覧ください。
運動不足
食べすぎで運動不足のヘビは、しばしば便秘を引き起こします。
運動不足の原因は、主にレイアウトです。ケージ内が狭かったり、設置物が少なかったりすると、ヘビは立体活動ができません。
もしあなたのケージが狭いなら、ワンサイズ大きなものを購入しましょう(幅60cmケージから幅90cmケージなど)。
また、「床材と水入れ」だけのシンプルなレイアウトなら、シェルターや流木を入れてあげると立体活動も促されます。
ボールパイソンの便秘の対策グッズ
ボールパイソンの便秘を防ぐのに活躍するグッズをいくつかご紹介します。
「もう二度とつらい思いをさせたくない…」という方は、身銭を切ってでも購入しましょう。
記録のできる温湿度計
こちらの商品は、温度・湿度を一定間隔でスマホに記録できる温湿度計です。
自分が部屋にいるときだけ「温度湿度は問題ない」と思い込むのは初心者にありがちな失敗。
「きちんと1日中適切な温度・湿度を維持できているか」「ときどき危険な温度・湿度になっていないか」を確認しましょう。
立体活動ができる流木
立体活動ができるように、流木を設置するのもおすすめです。
地上性のボールパイソンでも、木があれば登ったり巻き付いたりしてくれます。運動不足解消に大活躍してくれるでしょう。
野生下ではげっ歯類だけでなく、樹上の鳥の巣にいるヒナを食べることもあります。ケージ内に木を設置した方が、より自然らしい姿を見られるかもしれません。
使うときはアク抜きやささくれの除去を忘れないよう注意しましょう。
広々としたケージ
ケージ内が狭くて運動不足の場合は、ワンサイズ大きなものに買い替えましょう。
ヤングサイズまで育てば最低でも60cm、アダルトサイズなら90cmほしいところです。
広々としたケージなら、生体のさまざまな様子を観察できるのでさらに飼育が楽しくなります。
便秘対策がきっかけでも、結果的にたくさんの恩恵を受けられるのでおすすめです。
ケージの選び方やおすすめ商品は「ボールパイソンのケージ」をご覧ください。
ボールパイソンのおすすめ飼育ケージ!失敗しないサイズ選びフンの状態・頻度は健康のバロメーター
今回は「ボールパイソンの便秘」について解説しました。
フンの状態・頻度は健康のバロメーターです。便秘や下痢になるからには、なにかしら飼育に問題があることを疑いましょう。
健康的に長く育てるには、病気のサインにいち早く気付くことが大切です。
他のよくある病気についても知りたい方は「ボールパイソンの病気」をご覧ください。
ボールパイソンの病気の種類と症状【応急処置あり】